幸せのロウソク
学校へ行くと、様子のおかしさにすぐ気付いた。
教室に入るとすぐ、クラスメート達が話しかけてきた。
―担任が死んだよ―
―昨夜、車にひかれたんだって―
…それは昨夜見た夢の内容そのままだった。
しかし少しも恐ろしくは無かった。
けれど顔では不安を表し、心の中で笑った。
コレでもう、自分を不快にさせるものはいなくなったのだと―。
その夜、原型をとどめていないキャンドルを前に、考えていた。
最後の夢は何を見ようか、とか。
この不思議なキャンドルは2つめも同じ作用を与えてくれるのか、とか。
さまざまなことを考えているうちに、時間はすでに深夜になってしまった。
慌てて、とりあえず一つの願いを決め、キャンドルに火を付けた。
そしてその夜見た夢は、不思議だった。
暗い夢の中で、もう一人の自分と出会う。
イヤな笑い方をする自分はこう言った。
―燃え尽きる。全ては灰になる―
何のことか尋ねようとして口を開けたまま固まった。
目の前の自分の体が、サラサラと崩れ始めた。
言葉通り、燃え尽き、灰になっていく。
そして気付く。
自分の体も同じように灰になり、崩れていく。
言葉にならない悲鳴が、口からほとばしった。
教室に入るとすぐ、クラスメート達が話しかけてきた。
―担任が死んだよ―
―昨夜、車にひかれたんだって―
…それは昨夜見た夢の内容そのままだった。
しかし少しも恐ろしくは無かった。
けれど顔では不安を表し、心の中で笑った。
コレでもう、自分を不快にさせるものはいなくなったのだと―。
その夜、原型をとどめていないキャンドルを前に、考えていた。
最後の夢は何を見ようか、とか。
この不思議なキャンドルは2つめも同じ作用を与えてくれるのか、とか。
さまざまなことを考えているうちに、時間はすでに深夜になってしまった。
慌てて、とりあえず一つの願いを決め、キャンドルに火を付けた。
そしてその夜見た夢は、不思議だった。
暗い夢の中で、もう一人の自分と出会う。
イヤな笑い方をする自分はこう言った。
―燃え尽きる。全ては灰になる―
何のことか尋ねようとして口を開けたまま固まった。
目の前の自分の体が、サラサラと崩れ始めた。
言葉通り、燃え尽き、灰になっていく。
そして気付く。
自分の体も同じように灰になり、崩れていく。
言葉にならない悲鳴が、口からほとばしった。