愛唄


どうやらこのクラスには転校生がくるみたい。

さっきの子かな?


予想通り、さっきの双子のうちの男の子の方があたし達のクラスに入ってきた。


「冴霧那加(なか)くんです」


さえぎり……?

その言葉を聞いて思い浮かぶのは一人しかいない。

考えてることはみんなも同じみたいで、一斉に花音に注目した。


「……言っとくけど、全く関係ないから」


だって花音は冴霧花音だから。


でもそっか、関係ないんだ。

そうだよね、知ってたらさっき会った時に言ってるはずだもんね。


「じゃ、軽く自己紹介お願いね」

「ハイ。冴霧那加です。妹と一緒にこちらの学校に転校してきました。これからよろしくお願いします」


妹って言ったけど、あたし達はさっき見たから双子だって分かるんだよね。


「じゃ、那加くんは花音ちゃんの後ろの席に座ってね。あの、さっき注目浴びてた子ね」
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