愛唄
緊張の一瞬……。
ガチャ...
「柚縷、お客様だよ」
そう言って翼が入った後、あたしも翼の横から顔を出した。
「柚縷ちゃんっ!」
「葵ちゃん!?どうしたの?今日来ないって翼が……」
「うそ葵!?なんで!?」
花音もまだ柚縷ちゃんの部屋にいて、驚いた目であたしを見てた。
「えっと――」
その時、いきなり腕を後ろに引かれた。
後ろには優奈しかいないから、その腕を引いたのは優奈だ。
「どうしたの?入らない?」
「……ムリ」
そう聞こえたすぐ後で、花音ちゃんの声がさっきよりも近くから聞こえてきた。
「そこ、誰かいるの?」