愛唄


ひょこっとあたしの後ろを覗き込むように見てくる花音。


「あ!えーと……ユナだユナ!」

「ユーナだよっ!」


名前を間違えたという花音。

……あんまり関わってなかったみたい……。


「……優奈ちゃん?」


柚縷ちゃんの問いかけるような言葉に固まる優奈。


「優奈、勇気だして。大丈夫だから……」


その時、花音が行動した。

優奈があたしの腕を掴んでいない方の腕を掴んで、引っ張り出した。


「ひゃっ……」

「堂々と向き合いなよ」


さすが花音だと思った。

さすが花音様は強引だと思った。
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