愛唄
花音のその行動によって、柚縷ちゃんと優奈の目が合った。
「アンタいつもウザいくらいに堂々としてたじゃん。会いにくい理由があるかもしんないけど、葵が連れてきたくらいだから、会わなきゃいけないくらいなんでしょ?」
「花音ちゃん……」
「……あおのバカ」
え、あたし?
優奈はすぐに目をそらしてしまったけど、柚縷ちゃんはそんな優奈を優しい目で見ていた。
「優奈ちゃ――」
「ゆぅのバカ……」
静かに言葉を吐いた。
誰もなにも言わない。
これは柚縷ちゃんと優奈の問題だから、みんなわかってる。
「ゆぅが事故るから、怖くなったんだよ。未来に何が起こるかわかんない、明日なにが起きてもおかしくない、いつ誰が消えるか……」