愛唄
しばらく話してると優奈もだんだん慣れてきたらしく、いつもの優奈になっていった。
「そういえば新津くんたちと話すの初めてじゃね?」
「そうだね。噂は聞いてたけど柚縷と話してる所も見たことなかったしね」
「あたしなんで"たち"でまとめられてんの?」
「新津くんの噂は回ってくるけどアンタは"ついで"として回ってくるから?」
「……ケンカ売ってる?」
ケンカ腰に言う花音と優奈は、ちょっぴり似てると思った。
「噂なんて所詮噂なんだよ。おびれむなびれ付いて奇麗事並べてあるだけなんだよ」
「花音、それ誰のこと言ってる?」
「噂っつーのは本当に注目されるべき人しかネタにされねーんだよ。アンタみたいに"ついで"の存在は噂する価値もねーって事」
「ゆ、優奈、言い過ぎ……」
二人は低級な争いを繰り広げた……。