愛唄
優奈も辛かったんだ。
あんなふうに今は笑ったりしてるけど、当時は辛かったんだと思う。
「まぁ停学処分は本当だけど、ダブってはいないよね」
「本当なの!?」
「相手が悪かったからね。入学してすぐにキツイ先生に刃向かっちゃったから……あれ?そう言えばその時からだった気がする」
「え?何が?」
「優奈ちゃんがガラの悪い人たちの仲間に入り始めたの。……そうだそうだ、停学が終わってもしばらく学校来なくて、気付けば輪の中にいたよ」
優奈がこうなったのは……もしかしなくてもその教師のせい……?
やっぱり、人の行動って恐ろしい。
たった一人が人生を壊すことなんて簡単なんだから……。
「違うよ」
その声に振り向くと、優奈はあたしの方を向いていた。