愛唄
双子が不思議なのか、この二人が特別不思議ちゃんなのかはよくわからないけれど、双子のシンクロ率は打ち合わせでもしていたかのようにぴったり。
「あ、思考回路が一緒だからなのかも!」
そう仮説を提案すると、また花音に「その話はもういい」とキツイ一言を言われた。
翼のいない朝。
まだ絵を描いてる時間だから、あとちょっとの辛抱……。
「葵」
「なに?花音」
「寂しいなら、行って来てもいいよ?」
「え……?」
「翼のとこ」
……花音には、お見通しだったみたい。
「ううん、いいの。そろそろ来る時間だし」
そう言って、すぐに翼は教室に現れた。
ほらね、すぐだもん。
「おはよう、葵」
「おはよう、翼」