願った日々
「どんなんや?漫才できる?」

「え~洸くん、妹いるんだ~初耳だねぇ~」

「・・・・・・・」

先輩達が一斉に聞いてくる。

(1人だけ例外がいるが・・・)

「え~と・・・その、なんて言うか・・・」

「先輩こいつの妹はブラコ・・んぐっ・・・」

「ん?なんだって?」

「いやなんでもないっすよ。普通の妹っす。
・・・いいか余計なことは言うなよ。」

「わかったよ、マジになるなよ。おっ、噂を
すれば妹さんが来たぞお兄ちゃん!!」

(なっ・・・)

「お兄ちゃ~ん。」

玄関のすぐそこにある階段を雫が下りてきた。

「おっ、あれが天地の妹か?・・・かわいいな。」

「なに鼻の下伸ばしてんのよ!!!」

裕治先輩の頬を薫先輩がつねった。

「いたたたた、痛い、痛いって。」

(また痴話喧嘩ですか?ってそれどころじゃ、うわっ・・・)

「お兄ちゃ~ん。ニュースニュース!!」

そういって雫は俺に抱きついてきた。

「だから学校で抱きつくのはやめろってあれほど・・・」

じ~。みんなの視線が俺に向いているのがわかった。

「さっき高村が言いかけていたのはこれか・・・」

「あんた達・・・」

「なんや、洸やん。それが妹か?かわええなぁ。」

「・・・・・・・」

「いっ、いや先輩あの、これはそのなんて言うか・・・」

「雫ちゃんのブラコンパワー炸裂・・・ってか、くっくく」

先輩達に白い目で見られそうになった俺が言い訳を
言っている時に将人がぼそっとつぶやき笑った。

「もう、いいから離れろよ!!」

「んもう、そんなに恥ずかしがることないのに。」

そう言って雫は俺から離れた。
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