願った日々
将人の両親は将人が5つの時に離婚して、将人は
母親に引き取られた。それで母親は京都で弁護士をしている。

俺と将人の親は幼稚園から高校まで一緒だったので
俺の家に将人を預けていったのだ。

月の生活費や食事代はきちんと俺の親と将人の親が
銀行の口座に入れてくれるので暮らしにはなんの支障はない。

俺はまた階段を上って将人の部屋に行った。

将人の部屋は俺の部屋の隣だ。

「おい、将人起きろ。朝飯だとさ。」

俺がドアを開けると将人はベッドからずり落ちていた。

「ん・・・ああ、洸か・・・朝飯?今行くよ。」

将人はまだ眠たそうにしていた。

そして目をこすりながら洗面台に行き、顔を洗って
毛先だけが茶色く染まった髪をワックスで立てた。

みんなが食卓にそろい朝食をとった。

「そういえば明日から俺達二年生かなんかびみょーな年だよな。
洸もそう思うだろ?」

「そうか?俺は別にどうでもいいけど。」

「なんだよつまんねーな。あっそういえばお前春休みの宿題
終わったか?」

「ん・・・たしか数学のプリントと国語の問題集、あと英語の
ノート作りだったな。俺は終わったぞ。」

「本当か?それなら俺に見せてくれよ。な、いいだろ?」

「わかったよ。俺の机の上にあるからもっていけよ。」

「サンキュー。やっぱり持つべきものは友達だよな。」

「そういえばお姉ちゃん!!さっきの続きだけど
あんまりお兄ちゃんの事、怪我させないでよね!!」

「朝っぱらから何かあったのか?」

「・・・」将人にそう聞かれ何も言えなかった。

「結構お兄ちゃん格好良いんだから。」

雫が恥ずかしいことを平気で言ったので俺は味噌汁を噴出した。
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