願った日々
「お前こそ、もう大丈夫なのかよ!!」

「大丈夫、心配しないで。もう大丈夫だから・・・グフッ!?」

沖田は口から血を吐いた・・・

「おっ、おい大丈夫か沖田!!」

「・・・・・ふふふ、な~んちゃって、うそだよ~」

血だと思ったものは実はトマトケチャップだった。

「殺・す・ぞ!!」

「あはははは、冗談だって!マジになるなって。」

「・・・で、何かようか?用事がないなら帰れよな。」

俺は少しキレている。

「何かようか、とはひどいなぁ。用事があるから
来たんじゃないか。」

「だから、それは何だ?」

「聞いて驚かないでね、今年の1年生のことだけど、
1年になんとあの冬月中の出身で剣道が強い
双子の姉弟がいるんだって。」

(・・・・・)

「そのことなんだけど、俺達みんな知っているぞ。」

将人がそう言うと沖田は「うっそ~」と言った顔でみんなを見た。

「なんでみんな知ってるの?」

「私が教えたんだ~」

沖田の質問に雫が答えた。

「なんで雫ちゃんが双子の話知ってるの?」

「その双子、私と同じクラスなんだ。今日自己紹介があって
その時知ったんだ。」

「んじゃ、その双子に勧誘しに行ったんだろ?」

「いや、それが・・・」

「なに、まだしてないの?」

「ん~、裕治先輩が1年生のクラスでまた長く話し出しちゃって
さ、それで途中で帰ってきちゃったんだ。」

「なるほどね、でもその後に双子だけは勧誘したんだろ?」

「それが、洸が忘れてたんだよ。」

「俺のせいかよ!!」

「何してんだよ洸~」

「しょうがないだろ、だって裕治先輩の事で精一杯
だったんだからさ。」

「まぁ、まだ始まって1日目だしまだ時間に余裕があるから
大丈夫だよ。」
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