願った日々
「おっしゃ~、今日は勝ったぜ~」

洸は将人にギリギリで勝ち最下位をまぬがれた。

「うわ~、言い出しっぺが負けてやんの!!」

「だってよ、俺、レーシングゲームはあまり得意じゃないん
だよな・・・」

「まぁ、とにかく負けたんだから明日、円陣決定!!」

「勘弁してくれよ~」

「あはははは」

「あっ、もうこんな時間か~・・・じゃ俺帰るわ・・・」

沖田が時計を気にしながら言った。

「飯ぐらい食っていけよ。」

「いや、今日は遠慮するよ。ちょっとこれを待たして
いるから・・・」

沖田はそう言って右手の小指を立てた。

「いいよな~、彼女がいて。俺なんか彼女なんか作ったこと
ないんだぜ・・・」

「わかんないよ、洸のことが好きな娘が回りに結構
いるとおもうよ・・・」

「はぁ?・・・」

「じゃあねぇ~、おやすみ~」

そう言い残して沖田は帰っていった。

洸はしばらく玄関で立ちすくんでいた。

「お兄ちゃん、ご飯出来たよ~」

雫に呼ばれて洸はイスに座った。

「おい洸!お前何さっきからぼ~っとしているんだよ。」

「・・・」

そう将人に言われたが俺はぼ~っとしていて気がつかなかった。

「??どうしたんだ、洸のやつ??」

「さぁ??」
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