世界で一番嫌いな君へ
それはもう、寧ろ無意識のような、自分の意識の外での判断で、
私はそれとは別の意識の中、不安で必死にやめようかとも思っているのに、
何故か天気の話でもするかのように、するりと重大な言葉が零れ落ちた。
「すき、なんです」
「・・・え?」
「先輩が、好きです」
顔は見れなかった。
俯く私を、先輩はどんな気持ちで見ているんだろうか。
数十分にさえ感じる沈黙、静寂が耳に痛いと言う言葉を私は初めて理解した。
心臓があまりにも煩くて、水の中で外の音を聞いているような、夢のような感覚。