世界で一番嫌いな君へ

「もう、またそれ?付き合えたら嬉しいでしょ?それとも嫌なの?」

「そ、そりゃ付き合えたら幸せだけど・・・」


今まで以上に強気な光ちゃんに思わず視線を落とす。

幸せ、うん、幸せ。

だけどね、光ちゃん。付き合えなかったら?

床の隅のホコリを見つめながら、いや正確には、何も無い空間を見つめて、

1・・2・・・3・・・と、心の中で常盤先輩と話した回数を数えてみる。

思わず飛び出そうとした溜息を飲み込んで、今度は常盤先輩に視線を戻した。

私は特別美人でも可愛くもなければ、スタイルがいいなんて事も無いし、

先輩の好きなスポーツにだって詳しくない、なれそうにも。

< 4 / 16 >

この作品をシェア

pagetop