世界で一番嫌いな君へ
「また卑屈になってるんでしょー?」
「え?」
「つぐみはすーぐそうやって暗い顔するんだから」
両肩に勢い良く振ってきた手に驚いて私の体が跳ねると、
光ちゃんは目を細めて笑顔を更に眩しくさせる。
「ホントいつも言ってるけど、可愛いんだから自信もちなよ」
「そんな事言ってくれるのは光ちゃんだけだよー」
「よし、今日はシャンディでパフェ食べよう。そこで君の可愛さについて語るから」
ツッコミを入れる間も無く、光ちゃんは慌しく携帯を開いてまた後でと叫びながら教室を出て行った。
光ちゃんの彼氏である皐月先輩の練習試合が始まる時間だ。