End of the transmigration of souls■Chapter1■
背筋にゾクゾクッと寒気が走った。魂のみの存在は触れることはできないが存在だけは肌で感じることができる。少しでも動くと吐きそうだから動かないけど、振り返らないけど、明らかにこの男……。背後からあたしを抱いてるな?寒気が………全身に……。



━━━何処が苦しい?お腹か?



「……い…いや……。耳元は……」



━━━それとも…………



「………いや……だ」



━━━ちゃんと言わないとわからないだろ………? 言ってくれればなんとかするのに……。だって俺はお前の体全部知ってるんだからな。



「………ッッ!ヴぅッッ」



━━━━ヤベッ!やりすぎた!み……水!あ……!持って来れないんだった!


ライアットさん。……あなたは今言ってはならない事言いましたね?



そうだ。 あれはあたしが13歳の時だ。師匠の家に住むようになってから。何がきっかけだったかそれは覚えていない………。 幼かったあたしは師匠がどういうつもりでそうしたのかわからなかった。理由もずっと恐くて聞けずにいた。聞いたら師匠はあたしの元から去ってしまう様な気がしたから。いつの日からかあたしは毎日師匠と体を重ねる様になっていた。 毎日確実に師匠の痕跡が自分の中に残されていく……。あたしのすべてを捧げた人。 あたしの初めての人。ゼファの他にあたしのすべてを知ってる唯一の人…………。



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