End of the transmigration of souls■Chapter1■
「師匠?ねぇ………、いつまで寝てるつもり?最近ダレ気味?」



言葉を覚えて、 普通にしゃべれる様になって、きちんと会話が成り立つようになって、怒ったり、泣いたり 、笑ったりすることを 知らなかったあたしはそのすべてを師匠の真似してみせた。あたしの知らないものをたくさん持ってる師匠が今のあたしのすべてだった。 『父』である
イージス博士以上に師匠はあたしのすべてだった。



「んー………あれー?もうそんな時間かァー?」
「そんな時間だよ。さっさと顔洗って
仕度して。稽古する時間なくなっちゃう」
「………クソ真面目だな。飯も食わせてもらえないのか…」
「食うな……なんて言った?」
「言ってねーな。準備してくれてあんのか?」
「当たり前よ。あたしがサボれば師匠もサボる……でしょ?」
「………。賢くなったな…」



色々教えてもらう代わりにあたしは師匠の身の回りの世話をした。 それが授業料だった。



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