End of the transmigration of souls■Chapter1■
結局何一つ身に付かないまま気づいたら2年も経っていた。ホント何も覚えちゃいない。 帰りたい。ただそれだけ。 あぁ……。何故あのままアルトルーシュカにとどまっていなかったんだ?後悔ばっか。ホント後悔ばっか。


「ねぇ。さっさと成仏しなさいよ」


━━嫌な言い方だなー!


「師匠の様子なんか見に行かなきゃよかったよ」


━━まぁ、ここに来させたのは俺だからな。


「一体何が心残りなわけ?目的は果たせたはずでしょ?」


━━あぁ。まぁな。


「早く……転生しちゃってよ」


━━そんなに早く逝ってほしいか?


「……うん」


━━俺の心残り。教えてやろうか?


「やっぱあるんじゃん」


━━俺が転生したらどうするんだ?


「もう帰る」


━━そうか…………。じゃあ話そうか。
心残りっていうのはな、俺とイージスの事だ。


「師匠とイージス?」


━━あぁ。もうわかってるだろ?俺がイージスと関わってた事。これはちゃんと話しといた方がいいかな。


「…………………」


━━俺が初めてイージスと出会ったのはイセルナと会う1年前だ。うーん………なんかおかしいな。正確にはイセルナが俺と会う
1年前に俺はイセルナに会っている。


「???何それ………?」


━━イージスに会った日にイセルナとも会っている。まだイセルナに名前が付いてなくてIS-luna tipeAというサンプル名で呼ばれてた頃だ。


「……………」


━━俺が勝手にイージスの家に興味本意で入ったからあいつに捕まったんだけどな。家の中を見た代わりに山から出るなって言われて、本来の目的であるアンザック探しもできなくなった。出たら確実にイージスは俺を殺すのがわかってからな。だからおとなしくしてた。毎日毎日何故かあの家へ通ってずっとお前を眺めてた。当然お前が目覚める前日も。あの日だって本当はそうするはずだった。
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