End of the transmigration of souls■Chapter1■
一緒に暮らしてた頃から少しはわかってた。師匠とイージスが関わってるって事。でもね。 あたしが覚醒する前からだなんて。



━━お前については俺も詳しく知ってるわけではない。聞いてもイージスは答えなかったし。あいつが姿を消した理由も知らない。ただ、姿を消す前奴に協力したのは『イセルナの身体能力の計測』それがあの頃やってた鍛練だ。どれ程のスピードで力を身に付けるか。どれ程強い力を身に付けるか。そして……。どれ程完璧な兵器に成長するか……。けど、日を追うごとにどんどん『人間』になっていく
イセルナを見てるうちにそれができなくなった。それと同じ時期にあいつは姿を消した。俺的には好都合だった。あいつさえ居なければ俺は自由になれる。だが矛盾する点もあった。イセルナの身に何かあった場合、自分で自分の身を守れるようにもしておきたかったのも事実だ。イセルナは違法的に造られた存在だ。いつヴァリーフォージの人間に襲われてもおかしくない。だからその後もそこそこに鍛練を続けていた。


「自由になったから山を降りるようになったの?」


━━まぁそれは別の理由だ。


「別の理由?」


━━佰憐と恋仲になったのも。別の理由だ。今なら言えるけどな。 佰憐には本当に申し訳なかった。辛い思いをさせた。
俺はあいつを利用したんだ…。佰憐と付き合うことで自分の気持ちを誤魔化し続けた。たとえ誤魔化してたとしても佰憐とならやっていけると思ってた。 でもまぁ……。世の中うまくいかないもんだ。異国の人間だからとか山に住んでる怪しい奴だとかそんなんで全部おじゃんだ。きっと罰が当たったんだな。



< 128 / 149 >

この作品をシェア

pagetop