End of the transmigration of souls■Chapter1■
「…………………」


━━俺が惹かれていたのは佰憐ではない。イセルナだ。こんなガキで、しかも人間じゃない。それでも………。


「……いいじゃん。少しは幸せ味わえたでしょ?」


━━……そうだな。 今なら全然犯罪でも
何でもないのにな!


「自分は死んでるけどね」


━━まぁな。あれから何年だ?もう死んで時間の感覚もねぇや………。自分はあの頃のまま。何も変わっちゃいない。年も取らない。気持ちもお前から離れられない。ごめんな。お前が死んだまま、生き返されなければ良かったのにって。そしたら一緒に逝く事ができたかもしれないのにって思っちまうんだ。……けどもういいや。またこうして会えた事が幸せだ。


そう言った瞬間、師匠の体が白くぼやけ出した。時間がきたらしい。


━━そろそろ時間だ。俺ももう帰るべき場所へ還ろう。お前にも帰る場所があるんだろ?


「……うん」


━━ずっと付き合わせて悪かったな……。


「昔からじゃない。もう馴れた………」


━━あはは!そうだな!……なぁ、また会えるよな?


「そう思うならさっさと転生しちゃいなさいよ。あたしが生きてるうちにまたこの世界に生まれてくればいい……」


━━そうだな……。じゃあさっさと転生するか!イセルナ、アンザックをよろしくな!


「そっちこそ。今度はアンザックに会えるといいね」


━━…………………………!


どんどん師匠は見えなくなる。もう何を言ってるかも聞き取れない。ただ、最後にわかったのは消える間際に昔と変わらない優しいキスを1つ残して逝った事。



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