End of the transmigration of souls■Ｃhapter１■

自分自身食事は栄養剤しか与えられていなかったから料理なんてできなかったけどある程度教わればなんとなくなんでも 作れるようになっていた。



「…うんｯｯ！今日も上出来だ！うまいｯ！」



そう言って喜んでくれる師匠を見るのが
好きだった。
それに、あたしは師匠にこれくらいの事でしか恩返しができないから。実際ここまで育ててくれたのは『父』ではなく師匠だ。お陰さまで稽古の時以外は甘やかされてきた為にわがままで可愛いげのない女に育ってしまいました。そこも感謝……なのか？



「ねぇ……師匠」
「なんだ？」
「最近何してんの？」
「……何って何が？」
「今日は出かけるから早く終わりにするとか…、今日は早く帰れとか…やる気あるの…？」
「………」



食事をしている師匠の手が止まった。



最近の師匠はおかしい。 週に何回かは あたしを早く帰らせたがる。特に最近は 朝あたしが来てもまだ起きていない。 具合が悪いのかとも思ったがそんなことない。 むしろ元気すぎる。何かおかしい。隠してる。