End of the transmigration of souls■Chapter1■
軍服も団服も団長から託された光剣ファルクスも物置に仕舞った。 こいつらにもう未練はない。手元に残したのは護身用として工作員だった頃にゼファから貰い受けた一丁の拳銃『残櫻』だけだった。


「何してんだ?」
「荷物の整理。これはもうあたしには必要ないから……」
「……………そうか。これでいいのか?」
「うん。これでいいの……。……ねぇ?」
「なんだ?」
「あたし………少しは人間みたいに生きれてる?」
「なんでそんな事聞く?」
「なんとなく。なんとなくそう思っただけ」
「気にすんな。十分お前は人間臭く生きてる」
「そう……。よかった」


自分ではよくわからないけど、少なくとも昔はもっと『生きる』事に対して義務的だったと思う。命があるから生きなきゃいけない。なければ生きなくていい。ただそれだけだった。


けど今は違う。一緒に生きていきたい人がいる。命を貰った人がいる。命有る限り精一杯生きたい。生きなきゃいけないじゃない。生きたいんだ。



人間じゃなくてもあたし一生懸命生きました。自分の生きた証を小さくてもいい。 毎日刻んでいきたいんだ。



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