End of the transmigration of souls■Chapter1■
いろんな事を考える日々が続いた。それは苦でもなく、楽でもなく、当たり前になっていた。穏やかな日々の中で環境はどんどん変わっていく。あたしが帰って来てしばらくゼファは仕事を全部アレクトに押し付けてあたしの面倒を見てた。今ではそれもなくなってアレクトと交代で仕事で数日家を空ける生活に戻っていった。
自分は自分で、ずっと家にいても暇だから『葬儀屋』を始めた。そうは言っても商売でもなんでもない。金の入らない仕事。未だ転生されない魂の葬送や処理されない死体の分解はあたしにしかできない仕事だろう。花を手向けて在るべき場所へ送る。それが罪を山ほど犯したあたしのせめてもの償いでもある。


弟分のとこには子供が生まれて、よくあたしは買い物を頼まれては届けに行っている。彼らを見てると家族とはいいものだと改めて思う。あたしの知ってる『家族』はあの2人子供が欠けた騎士団一家だけだったからなんか新鮮だった。自分には家族がないから余計にそう感じた。その様子を見てか、ゼファは暗黙の了解で家にいる時はあたしを人間に育てるようになっていた。





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