End of the transmigration of souls■Chapter1■
「そりゃずっと籠ってるのは退屈だろうけど……」
「あたしが居なくなったらこの家………
1人減っちゃうから……」
「…………。お前……何言って……」
「お願い……あたしの最後のわがまま聞いて」
「最後だなんて言うな。それだけは聞けない!」
「お願い」
「………無理だ」
「せめてあと少し……あたしに生きる力を下さい…。確実に生きられる力を………」


生きられる力………。 あぁ……そうだ。
この前、そんな話をしてたんだった。約束………。破っちゃったね。怪我しちゃった……。もう治らないの?それとももう死んだの?ここは………?あたしどうしたんだっけ?


「イセルナ?」
「……ゼファ?」
「よかった……。もう目を覚まさなかったらどうしようかと思った……」
「あたし………」
「怪我してシュライクの家に転がり込んだの
覚えてないか?」
「覚えてる……。あれだけ外に行っちゃダメって言われたのに、キルティのとこに行こうとしちゃったの。ファルクスが1人で先に外に出ちゃって…。それを追っかけたら反ヴァリーフォージ派の奴等がいて…。それで………」
「ごめん……。俺のせいだ」
「なんで………?」
「………………」
「あたしどれくらい寝てた……?」
「8ヶ月」
「……嘘ッッ!?」


8ヶ月も!?思わず飛び起きようとしたあたしをゼファは押さえ込んだ。


「起きるな!お腹の子供に障る」
「……あ…」


あの時の?


「眠ってる間に子供ってちゃんと育つんだね……」
「みたいだな」
「ファルクスは?」
「元気にしてる」
「そう……よかった……」
「イセルナ?」
「何?」
「よく聞いてくれ」
「うん」
「はっきり言うぞ?」


……目覚めたらもう3日以内の命…。


ゼファはあたしにそう告げた。 もしかしたら今日中に死んでしまうかもしれない。
危なくなったら子供だけ取り出す予定らしい。そうか……。生まれてきても抱いてあげる事もできないのか………。


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