End of the transmigration of souls■Chapter1■
剣を持って外へ出た。 普段なら剣に気を集中させてから始めるのだが無性にイラついてたのでそのまま思いっきり正面の木に斬りかかった。



「……やぁーーーッッ!」


ガサガサガサ!
バサッ!



派手に。荒々しく。大きな枝が落ちた。



「太刀筋が乱れてるぞ」
「…………ッッ!」



いつ後ろに回り込んだのか。師匠が耳元で小さく囁いた。全然気づかなかった。若いのにこの人は確かに只者ではない。 全く気配を感じなかった。技術がどーとかよりも気配を消すことの方が正直難しいのだから…。本当にこの人はどこで修行を積んできたのだろう?相手が師匠でもこれはさすがに恐かった。そしてこうしてくる時の師匠には決して逆らえない。



「…はい…。すみません………」



この日は全く集中できなかった。
集中できないと稽古は当然ながら厳しくなる。 結局そのまま何も変わることがなかったので 説教ばかりされて稽古は打ち切られた。



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