End of the transmigration of souls■Chapter1■
昨日…あの後何かあった? フラれた?聞きたいけど聞いたらいけない気がした。
いや。これは聞いちゃいけない。何か悪い予感がする。



これも悪い予感の一つなのか………。それから数日稽古はなかった。師匠も顔を見せなかった。あのままだ。



ある日の朝。師匠の様子を見に行って、 その後何かに導かれるように山を下りて街へ向かった。 もしかしたらこれは『虫の知らせ』というやつだったのかもしれない。



「神梛殿のお宅のお嬢様、婚約は破談だそうよ」
「栢憐お嬢様もお気の毒に…」
「なんで破談なんかに…」
「相手の男性があの山の中に住んでるって噂のヴァリーフォージの研究員と関わってたらしいのよ!研究員の娘とも一緒にいるとか……」
「嘘…浮気ッッ!?」
「まさか!それは違うわ。だってまだ12、3の子供らしいから。しかもその男性も山の中に小屋作って住んでるらしいのよ!あの男もヴァリーフォージの人間なのかしらねー?」
「では佰憐お嬢様は騙されてたということ!?」
「そういうことになるわね…」
「お気の毒に…」
「どうりで異国の服を纏ってたわけねぇ…」



山の中に住んでる研究員……。研究員の娘 ……。山の中に住んでる男性 ……。



イージス博士
あたし
師匠



街へ出るとそんな話ばかり耳に入る…。



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