End of the transmigration of souls■Chapter1■
●Episod 1-1 Awaking●
「お前の名前はイセルナだ。
わかるか?
イセルナだ。」
23年前。
イージス博士の声で目覚めた。
「いせるな…?」
「そうだ。
IS-Luna type A。
お前は今日からイセルナ=イージス。
私の娘として生きろ」
「いせるな…いーじす。
むすめ?
あなた、あたしの…おとーさん?」
「そうだ。
そしてお前の年齢は7歳。
7歳だ……」
「ななさい?」
「……成功だ。」
IS-Luna type A。
それはあたしの本当の名前。
イージス博士の研究コード。
それを繋げるとあたしの名前になる。
人間として生きるための名前に。
いや……。
あたしは人間として生きるのに造られたのではない。
あたしは……人の形をした兵器だ……。
あたしが目覚めた日。
目覚めた時に教えられたこと。
それは名前と年齢。
イージス博士があたしの父だということ。
それだけだった。
その時には何も疑問には思わなかった。
なぜそれよりももっと幼い頃の記憶がないのか。
ただただ目の前にあるものがすべてだった。
目覚めたばかりのあたしには何もおかしいことなんてなかったのだ……。
この空間も。
この怪しい博士も。