End of the transmigration of souls■Ｃhapter１■

居住区。 だいたいの部屋は割り出されている。このどこかに異端者が居るらしい。 異端者とは、かつて遺伝子工学研究所に所属していた元研究員が外部で良からぬ事を やらかしてる場合がある。その様な者をあたし逹は異端者と呼んでいる。それを調査して見つけ出して、ホﾝﾄにただの噂であるならそれで良いのだが…。仮に事実であればその場で抹消する。抹消とは機器の破壊、実験材料の処理、そして異端者の抹殺のすべてを意味する。異端者が1人なら簡単なのだが、すでに組織化している異端者逹もいる。その場合下手したらあたし逹工作員の命も危うくなる可能性も無ではない。



室内の音や会話を盗聴しながら部屋を割り出す。今回は恐らく1人か2人だ。たいして大がかりなものではないだろう。



『ここだな…』



奴等の居場所がわかった以上コｿコｿする必要はもうない。扉は剣でぶった斬る。 それがあたしのやり方だ。



「………はｯｯ！」



居合斬りで扉はガﾗガﾗと落ちていく。



「な…なんだ!?」
「なんだじゃないだろ異端者」
「とうとう見つかったか…」
「お前何をした？遺伝子操作の悪用か？」
「そうだ。生物の増殖だ」
「まさかヤﾊﾞい形になってるんじゃないだろうな？」
「そのまさかだ…」
「またやっかいなことを…。遺伝子操作自体も違法だろう」



遺伝子操作の悪用は生物の過剰な増殖が主である。増殖した生物は遺伝子操作により、普通ではあり得ない形になって増殖していく。 奇形、凶暴化など、日常生活に支障を来す。それがもし植物であるなら過剰な成長で容易く建物すら破壊していく。 それらは人も襲うだろう。



「仕方ない。………悪く思うな。禁忌に手を出した自分を責めてくれ……」



異端者は容赦なく斬る。 残された造り出された生物はすべて焼き払う。燃えかすすら残らぬようにその空間の物質を錬成して発動させた炎で焼く。普通の炎では形が残ってしまう。この術は錬金術の応用である。