End of the transmigration of souls■Chapter1■
とりあえず任務が終わればその都度任務の報告書の提出をしに指令室に行かなければならない。家からメールで送信しても良いのだが、あいにくあたしは現在ホームレスだから家でやるわけにもいかない。任務が終った後は早く休みたいのだが仕方ない。規則は規則だ。やらなかった時の罰則はかなり痛い。指令室への道中、エレベーターの待ち時間はちょっとした休憩時間……のはずなのだが…。


「イセルナちゃん今日はもう仕事終わり?」
「……?」



また知らない男……。一番ウザいパターンである。 エレベーターを待っている時のお決まりのシチュエーションである。何故エレベーターホールなのだろうか?エレベーターホールでのナンパは一種の流行りなのだろうか?まったく。ワンパターンな……。だいたい、何故みんなあたしの名前を知っている?



「気安く話しかけないでください」
「まだ終わらないの?」
「……………」
「何時に終わる?」
「……………」



ウゼェ……。



知らない男は
あたしの腕を掴んだ。



「終わったんなら一緒に………」
「うるさ…「まだ終わってねーんだから邪魔すんなって!」
「……ッッ!」
「またお前かよ!」
「また?お前どっかで会ったことあったか?」
「………クソッ」

知らない男は去って行った。


何故こいつはいつもちょうどいいタイミングで出てくるんだろう。 そんなに暇なんだろうか。



「なんで何も言い返さない?」
「めんどくさいから」
「今帰ってきたのか?」
「うん」



チンッ
ガララララ



エレベーターが来るまでの時間が物凄く長く感じた。





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