End of the transmigration of souls■Chapter1■
「まぶしい」



眩しいけどもっと見てみたかった。
明るい場所。
あたしの知らない風景。
あたしの知らない世界。
もっと歩いてみたかった。
だから小屋から出てしまった。



小屋を出てどれくらいの時間が経っていたのだろう?
今までどれくらいの時間暗い部屋にいたんだろう?
時間の感覚なんて全くなかった。
なのにこの場所は不思議だ。
何故だろう?
時間の流れを感じることができる。
不思議な感覚を覚えた。



しばらく歩くともう小屋が見えなくなっていた。
どの道を歩いて来たのかもわからない。
どれくらい歩いて来たのかもわからなかった。



「ここ…どこだろう?」



迷子になった。
どうしていいのかわからない。
けど、
ひとりぼっちの不安も恐怖も何もなかった。
そんな感情を知らないから。



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