End of the transmigration of souls■Chapter1■
「ねぇ………」
「なんだ?」
「……やっぱいいや」
「なんだよ!?」
「聞くのが恐いからいい」
「うーん…………よっし!じゃあ仕事も終ったし遊びに行くかー!」
「何で急に?その体で?」
「こんぐらい平気だろ!?」
「賛成しかねる」
「じゃあ家でおとなしくしてろって言うのか!?」
「大きい傷でもないけど、小さい傷でもないでしょ」
「暇は嫌だ。明日休みだし」
「あらそう。偶然ね。残念ながらあたしも明日は休みなの」



「「……………遊ぶか」」



結局こうなってしまった。遊ぶって何するの? でも、あたしって考えてみたら軍服しか持ってないな…。今まで遊ぶとかってなかったから。遊ぶんならちょっとくらいおしゃれして、工作員だってわからないように遊んでみたいな……。なんて。自分の中に普通の少女としての自分が居ることに気づいた。たぶんこれは
エリシャの影響が大きいだろうな……。



「なんで軍の正装なんだ?」
「着替えがないから」
「あらそうですか。着替えたかったら一度帰る時間くらいあったのに。………あれ?お前どこに住んでんだ?」
「家なんてないよ」
「は?」
「家なんてない」



そーいえば、 ゼファとそんな話したことなかったな。



「そんなんでいつもどこに居るんだ…?」
「んー…………毎日違うけど誰にも見つからなそうな所?」
「マジかよ………」
「えぇ、マジです。でもたまに研究室のマシンの中?」
「……………」
「研究室にはもう帰りたくないの。だったら外で自由に泳いでいたい………」



なんか驚いたような。なんか不満そうな
。まるであたしを哀れむような。そんな感じ。仕方ないじゃない。あたし、 普通じゃないんだから。どこが普通じゃないかはわからないけど。
だから……… そんな顔しないでよ。



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