End of the transmigration of souls■Chapter1■
「知り合い……。まぁ、いなくもないけど……」
「シュライクって子知ってる?」
「……あいつの知り合い?」
「知ってるんだ!」
「シュライクがどうかしたの?」
「シュライク……、今どこにいるかわかる?」
「わからない…あたしももうだいぶあいつは見てない……」
「そっか……。わかった…」
「あんた……もしかしてシュライクの…」
「何かわかったら……、教えてください………」
「わかった。あんた名前は?」
「キルティです」



この子があの時シュライクが必死こいてた女の子か………。こりゃまた正義感の強そうな子だわ。尻に敷かれてんだろうね。でもあいつにはぴったりかもしれない。
こんな状況の中ふと覗かせたあいつへの
姉心だった。でも、なんかちょっと安心した。

とりあえずキルティを保護したらあたしはまた外へ出た。なんか光のようなものを纏った人型をしたのが死んだ人間の魂。神の送り出した兵士だ。そこら中にうようよいる。 まったく人型だから紛らわしい。しかもヴァリーフォージの兵士だった奴も大勢いる。この奴等の心理作戦は相当やられる。 ホント……、悪趣味だよな。


「………妙だな」


うん。なんか変だ。いや……変すぎる。回りは次から次へと敵から攻撃を仕掛けられてるのに、何故かあたしにだけ敵が回ってこない。ここ数日ずっと気になってはいたが、さすがにこれはおかしい。しかも今は結界を張っていない。


「おかしい………」
「何がおかしいんだ?」
「!?……ヴェスタルッッ!お前無事だったのか!?本部になんの連絡もないから何かあったのかと……ッッ!?」
「あぁ……。俺は無事だよ。無事じゃないのはイセルナ、お前の方じゃないのか?」
「…………………?」


ほんの一瞬の隙だった。視線を少し下げると自分の腹部にはヴェスタルの指から放たれた光の刃の様なものが貫通していた。


「……っ!……ヴェスタル…お前…」
「悪いな。俺は元々スパイだったんだよ」
「…………!?」


ヴェスタルがスパイ…?神族の…………?まさか………?


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