End of the transmigration of souls■Ｃhapter１■

「かつてヴｧﾘｰﾌｫｰｼﾞには『2000年前の魂』と呼ばれる古代人の魂が保管されていた。その魂を宿す器として私はホﾑﾝｸﾙｽの錬成を繰り返していた。しかしどれも失敗ばかり。そんな中私はある法則を発見した。でもそれを他人に知られるわけにはいかなかった。魂を盗んでヴｧﾘｰﾌｫｰｼﾞから逃げ出した。そして月影島の山奥に身を隠した。そこで実験を重ね、完成したのがお前なんだよ。元は試作品として造ったのだが、予想外の完成度だった。対神族用兵器？私にはそんなのはどうでもいいんだよ」
「………………」



2000年前に生きた古代人の魂？あたしが？前に資料室で見たことがある。人間は『肉体』『精神』『魂』の3つが重なり合ってできている。しかし2000年前、精神と魂が癒着した状態の人間が存在した。 その人間の死後は他の人間とは違い、輪廻転生される事はない。ある錬金術師が その魂を空間ごと凍結させ、封印した。 その場所がヴｧﾘｰﾌｫｰｼﾞ本部のどこかだと。2000年間同じ場所で安置されていたと。 …………それが…あたし…？



「だがお前の完成前にラｲｱｯﾄにこの研究を見られた。まったく迂闊だった」
「だからあの時師匠は…」
「そういうことだ」



これですべてが繋がった…。