End of the transmigration of souls■Chapter1■
ふとコンピューターの画面に写る自分の姿が目に入った。漆黒の髪にグレーに近い黒いの瞳…。あたしはハニーブロンドの髪に琥珀色の瞳のはずだった。



「なんで?………色が違う…」
「それは核を移植した時の拒絶反応の1つだ。移植した核の持ち主がそんな様な髪と瞳だったからな。肉体が変わっても
必死に『自分』になろうとした結果だろう。まぁ生きられてるだけ感謝しろ」
「それって………」
「こいつだ」



イージスは1枚のヴァリーフォージの通行証を見せてきた。



Anzac=Hervey



「………ッッ!?」
「なんだ。知り合いか。まぁ虫の息だったからな。核だけでも生かされてそいつも満足だろう」
「………お兄ちゃん…」
「………ん?」



ご丁寧にきちんとあたしをこのどこだかわからない研究室に運ぶ時にデュランダルも一緒に持ってきてくれたらしい。 なら話は早い。無から人を造り出したという禁忌をおかした異端者。そしてアンザックを殺した罪。あたしをあのまま生かした罪………。



「オリオール=イージス……お前を抹消する」
「おっと。私のおかげで生かされたということを忘れたのか?」
「アンザックを殺してまで生かされたくはなかった…。そもそもあたしは2000年以上前にすでにいなくなった存在なんだろう…。無理矢理またこうして生かされる筋合いはない」
「制作者に向かってそんな口をきくのか?」
「黙れ異端者!あたしが知りたいと望んだことはすべて聞かせてもらった。これ以上はもう必要ない。………消えてもらう…」



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