End of the transmigration of souls■Ｃhapter１■

なんの特にもならない事をしてなんとなく損した気分になった。でもどうやら元ヴｧﾘｰﾌｫｰｼﾞの人間は一般人にはあまり良く思われていないのは確かなようだ。 富裕層。元ヴｧﾘｰﾌｫｰｼﾞの人間は富裕層の奴が多いのも確かなようだ。まぁ、一般人よりも遥かに専門的な知識や技術を持っているのだからそれは仕方ないだろう。




「おい……あんた…なんでその剣を……!?それはイｾﾙﾅの……」
「…………!?」



さて帰ろうか。そう思って引き返した時だった。目の前にいたのはアﾚｸﾄ……。工作員の1人、ゼﾌｧとよく一緒にいた奴だった…。



「おい！ちょっと待て！」



咄嗟に逃げてしまった。恐らく彼と関わればゼﾌｧと会えるだろう。 だけど今のあたしにはゼﾌｧに会う自信がなかった。そのまま走って家へ戻った。どうやら追いかけては来てないようだ。



バﾀﾝｯ！



「………？イｾﾙﾅ？どうしたの？？」
「……無理だよｰ」
「どうしたの？何があったの？？」
「……ゼﾌｧに見つかっちゃう…」
「彼の居場所がわかったの？」
「そうじゃない。ゼﾌｧと仲がいい奴と会っちゃったの」
「イｾﾙﾅだって相手はわかってたの？」
「ううん、全く別人だと思ってる…と思う」
「ならいいじゃない」
「だといいんだけど……」
「そんなに会いたくない？」
「……会いたいよ。会いたいけどそんな自信が今はないんだよ……。こんなに長い間姿眩ましてたのに………」