恋と幽霊
一ヶ月後…




バッグにありったけのおやつを詰めた男。
全財産を財布に入れ向かったのは電車の駅。



男は捜索をする決意をしたのだ。



それから何度も電話を女の子にしたのだが
電話はつながらず


行方はまったく分からなかった。



街はだいぶ復興はしていたのだが
電車はまだ全線開通していなかった。


開通している駅まで行って
そこから振り替え輸送のバスに乗る。



バスの窓から見える景色に男は息をのむ。



そこにはいつも見える高速道路が
なかったのだ。


いつもより広く見える空。
男は少し怖くなった。


絶対になくならない
なくなるなんて思いもしないものが


その街から消えてしまうと
まるでパラレルワールドに迷い込んだ気分になる。


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