They are going out
   *

 「深夜ドラマにピッタリな内容ねー」

 あたしが話をし終わると、ラパンを運転する紗有が言った。

 できるなら紗有の運転する車になど、危なっかしくて乗りたくないのだが、今日は紗有がうちに挨拶にくるというのだからしょうがない。

 「で、あんたそれを三島先生に話しちゃったわけね」

 「あー、うん」

 当の三島のセリカは、一台車を挟んで前を走っている。

 「じゃ、あたし三島先生と茶飲み友達になれそうだわ」

 「……マジかよ?」

 「うん」

 赤信号でラパンは止まり、セリカはあっという間に前方へと消えていった。

 本当にこれから、あたしの日常はどうなっていくのだろう。

 ラジオから聞こえてくるのは『これが私の生きる道』。

 それぞれの人間の生き方を垣間見ながら、人って生きていくのだろうな。

 これはきっと新作学園ドラマ。

 こんなラブストーリーのクランク・インだ。
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