They are going out
 理由はひとつ。

 私の視線の先にものの見事に留まってくれたのは、学ランと紺ブレではなかったのだ。

 だからと言って、学校ジャージであったわけでもない。

 嗚呼、そう、生徒ではなかったのだ。

 つまり答えもひとつ…というわけである。

 実にありがちな展開ではあるけれど、バレないうちにそそくさと、私はその場を去ったのであった。


 でも――。

 今から思えば、別に驚くことなんて無かったのかもしれない。

 なぜなら(Because)毎日はある意味、スリル満点ドキドキたっぷりの学園ドラマであって、私たちは台本のない突発ドラマを毎日毎日、休む暇もなく演じているのだから。

 もちろん、主役はそれぞれ。

 でもそれにしたって、あれじゃあ「見てください」って言っているようなもので、こちらとしても正直困るのだ。

 なにせ、こちらは花の(?)女子高生。

 大スクープ、特ダネだと言ったって、コレを誰かに話していいのかどうか。
 
 …マズいんじゃないの?ってか、ヤバいんじゃないの?


 「でも話したいの!」


 ――どういうことかというと、二つの影には光るものがあったのである。

 お互いの左手の薬指、違う形のプラチナリング。

 もちろん、苗字の違う二人。

 つまりそれは、見てはいけない二人―――。

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