They are going out
 ――あたしは場所を変えて、隣りの自習スペースの仕切り壁の隙間から様子を覗いていた。

 そして、徹の呟きを聞くのだった。

 「俺って……。こいつらに負けたのか?」

 うん、って言ってあげたかったけれど、そんなことは言えないし。

 けど今度徹に会ったら、ひとこと言ってあげようと思う。


 「先生、黒すぎですよ。」


 あの人、剣道部の顧問なはずなんだけど。

 屋内のスポーツなのに、必要以上に黒いんだよね。

 今はやっぱり美白の時代でしょう。

 ポ○ズダブルホワイト、プレゼントしてあげようかな。

 でも、徹が白かったらまるで雪だるまだ、と思うのはあたしだけかな…?
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