All right
「よくわかんない。こちらも新人の先生を出したから、注意しないのかも。まさかあんな子たちが入学してくるなんて、あたしたちも知らなかったから」
困った顔で森本先生が言った。
1年生全員が体育館に入場し終わると、扉が閉まり、1年生がイスに腰をおろした。
3年生がすごい目で1年生を睨み付ける。
負けじと1年生も睨み、2年生も参戦。
入学式どころではなかった。
あたしは、ぼーっとしている。
こういうの興味ないし。
「え、えぇ。校長先生からお言葉です」
喋りづらそうに、教頭先生が口を開く。
生徒の目線はちらっと校長先生へ向いたが、すぐに向き直り、睨み付ける行為を再開した。
校長先生は長々と話をした。
「あぁー、まじわけわかんないね!」
頭の後ろで手を組みながら、まどかがあたしの横に来た。
「放っておきゃ、3年がなんとかしてくれるでしょ」
大きなあくびをしながら、あたしが言う。
だって、中間のあたしらがなんかしたって、どうにもならないでしょ。
ここはこの学校最年長の3年生たちが活躍すべき!みたいな。