a girl as a dool
プロローグ
「茉央、誕生日何欲しい?」
そう言って笑顔で聞いてくるあたしの大好きな人。
「大好きなクマスケ買ってやろうか?」
「クマスケじゃないってば」
あたしの部屋にある大きなテディベアは、パパからの最後のプレゼントだった。
悠太はそのぬいぐるみに勝手に『クマスケ』なんて名前を付けてた。
「んじゃでっかいウサコ?」
あたしは悠太から目を逸らしてため息をついた。
「ウサコじゃないってば」
テディベアの横に飾られる小さなうさぎのぬいぐるみはママからの最後のプレゼント。
「よし、んじゃプレゼント楽しみにしとけよ。バイト頑張って来るから」
そう言って悠太はあたしに軽く口付けて、立ち上がった。
「ねぇ?誕生日はバイト休めるの?」
あたしの問いに、悠太は困ったように笑った。