a girl as a dool
一体どんな人間だったらあんな風に皆から心配されるんだろうか。
まるで駅のホームなどに放置された不審な紙袋のように。
皆彼女に寄ろうとしない。
それどころか話題にさえも出さないようにするかのよう。
俺は学級委員として列の先頭に立っている彼女を見た。
うわ、睫毛も長いのな。
改めて端正な顔立ちに見とれ、感心する。
そこら辺のギャル軍団がただの背景にしか見えない。
立ってる姿勢だって真っ直ぐで、本当に人形のよう。
ふと俺の視線に気付いたのか、彼女が俺の方を向く。
やべ。
文句の一つでも言われるかと肩をすくめる俺。
しかし彼女は表情を崩すことなく、また壇上の校長に視線を戻した。
まるで何事もなかったかのように。
さっき教室で窓の外を見ていたときのほうが、よっぽど表情があったように。
瞳に孤独さえ映さず。