a girl as a dool
……………あれ?
呆然とする6人のギャルに注目を浴び、一気に我に返る。
右手でしっかり南の振り上げられた右手を掴んでる俺。
「はい、そこまで」
少し上の段から陽平が声を掛け、今度は陽平に注目するギャル集団。
「ちょっーとやり過ぎじゃね?」
いつものようにへらへらしてるかのような陽平の表情だが、威圧感を漂わせている。
「もう昼休み終わるし」
携帯を出して時刻を確認した陽平が、画面をこちらに向ける。
「現場写真」
にやっと笑いながら陽平がギャルを見渡す。
「このまま引き下がるなら見なかったことにして消去するよ」
にこにこしながら言ってることは無茶苦茶な陽平。
しかし立場を悪くしたギャル達は、気まずそうに階段を下って行く。
「ジュン、そろそろ離してやれよ」
陽平に言われて右手を見ると、俺はまだ南の腕を掴んだままだった。
「あぁ」
少し強く掴みすぎたのか、南の手首は少しだけ赤くなっていた。
解放された南は、一瞬渡邊茉央を睨み付けてから仲間たちを追って階段を下って行った。