a girl as a dool
「あー、朝からエネルギー使いすぎた」
元々着崩していた制服のネクタイを、乱暴に外す。
「島内しつけぇ」
隣の陽平はブレザーを脱ぎ捨て、ズボンを捲る。
「てかジュン、その頭はやりすぎっしょ?」
呆れたように笑いながら陽平が俺の頭を撫でる。
太陽に反射する俺の髪は、ほぼ金に近かった。
「だってユウキがかっこよかったんだよ」
それを聞いて、ますます笑う陽平。
「ばぁか。ユウキの真似したって及ばねぇよ」
そう言って煙草に火を付ける陽平。
「ん?吸うか?」
そう言って陽平は一本差し出す。
「サンキュ」
俺は受け取り、煙草をくわえる。
「ちなみにこれ、ユウキが吸ってる銘柄らしいぞ」
悪戯っ子のように笑う陽平と、しばらく春の空気を楽しんだ。