貴方と居た時間。
「はい、俺の話はもうおしまい〜。」
啓太は照れているのか、話を中断してしまった。
「あ、品だし行ってきます。」
知佳はそう言うと、検品の終わった米飯ケースを店内へ運んだ。
体が震える。
今にも膝をついてしまいそうだ。いらっしゃいませの一言さえ、うまく言えない。
すぐそこでは部活帰りの高校生カップルが、人目を気にすることなく店内でいちゃついている。
奥さん、居たんだ…。
やっぱり聞かない方が良かった。
知佳はそう思った。
だけど、何も知らずにいつか告白して、啓太を困らせてしまうよりは良かったのかもしれない。
深く好きになる前に気づいて良かったじゃないか。
これくらいの失恋で…
これくらいの…
こんな言葉で片付けられないことなど知佳は分かっていた。
そのくらい、知佳にとって啓太は大きな存在だった。
気を抜いてしまえば、いつでも涙が溢れてしまいそうな状態だった。
商品を持つ手は震えていた。
それでも知佳は笑顔で接客した。
常連のおじさんが、しょうもないダジャレを言えば、いつものようにツッコミながら一緒に笑った。
生意気な小学生の相手もした。
啓太は照れているのか、話を中断してしまった。
「あ、品だし行ってきます。」
知佳はそう言うと、検品の終わった米飯ケースを店内へ運んだ。
体が震える。
今にも膝をついてしまいそうだ。いらっしゃいませの一言さえ、うまく言えない。
すぐそこでは部活帰りの高校生カップルが、人目を気にすることなく店内でいちゃついている。
奥さん、居たんだ…。
やっぱり聞かない方が良かった。
知佳はそう思った。
だけど、何も知らずにいつか告白して、啓太を困らせてしまうよりは良かったのかもしれない。
深く好きになる前に気づいて良かったじゃないか。
これくらいの失恋で…
これくらいの…
こんな言葉で片付けられないことなど知佳は分かっていた。
そのくらい、知佳にとって啓太は大きな存在だった。
気を抜いてしまえば、いつでも涙が溢れてしまいそうな状態だった。
商品を持つ手は震えていた。
それでも知佳は笑顔で接客した。
常連のおじさんが、しょうもないダジャレを言えば、いつものようにツッコミながら一緒に笑った。
生意気な小学生の相手もした。