貴方と居た時間。
募る想い
「結婚してたぁ?!」



誰も居ない第四教室。
美樹の声が響いた。
知佳は啓太が結婚していた事を話した。


「でもでも、携帯の番号教えて、頭を撫でるって何〜?!店長さんどうゆうつもりなんだろ!」


「きっと深い意味はないよ。」

知佳はコーヒー牛乳を飲みながら答える。


「メールはしてるの?」


「ううん。教えてもらった日に、私の番号とアドレス送って、お疲れ様ーみたいな感じでメールしたっきりだよ」


「そうなんだ…知佳ちゃんはこれからどうするつもりなの?」


そう聞かれ、知佳はストローから口を離した。


これから。


知佳が今一番悩んでいる所だ。
今すぐには無理だが、啓太への想いを諦めるか。
それとも、気が済むまで想っていようか…。
啓太を困らせることは分かっていても、一度は想いを伝えたいと考えていた。


「どうしよう…。美樹ちゃんならどうする?」


「私?」


「うん。」


「私は結婚してても別に気にしない。」


知佳は口からコーヒー牛乳が出そうになるのを、慌ててハンカチで押さえた。


「へっ?!か、関係ないって…」


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