貴方と居た時間。
「別れた!?な、何で?」


啓太は目を丸くして驚いている。

「うーん、四年半付き合ってたんですけど、お互い冷めきってたとゆうか…そんな感じで。」


「四年半か〜、長いな。…てか、ゴメン。こんな話したくないよな。」


啓太は申し訳なさそうに頭をかいた。


「いやいや全然。気にしないでください。」


知佳は笑顔で答える。


「でも高村さんは可愛いし、すぐ彼氏出来るよ。」


可愛い。


そう言われて、知佳は一気に体温が上がるのを感じた。


「ま、また〜店長は口がうまいですね。」


知佳はドキドキがバレないように、精一杯何でもないフリをした。顔が赤くなっていないか、気になって仕方がなかった。


「ほんとにそう思うよ?あ、もうこんな時間。御両親が心配するよ。気を付けて帰ってね。」


「あ、はい。お疲れ様でした。」


知佳は頭を下げると啓太に背を向けた。
心臓が高鳴り、声が震えているのが分かった。


啓太はタバコに火をつけ、再び業務を始めた。


知佳はそっと振り返り、啓太の背中を見つめ、スタッフルームをあとにした。
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