君色
あの人は本当に素敵な人。
何よりも誰よりもいつも私を優先してくれて、何よりも誰よりも私を愛してくれる。
彼と出会い、付き合うようになったのは私が中学生の時だった。
彼は、その時私が通っていた塾の先生。
通塾し始めて、彼が私のいるクラスの、英語の授業を受け持つようになってから、私の毎日は先生色に色付いた。
教壇から優しく微笑んでくれる先生が大好きになった。
誰にも秘密で付き合うことになった私達。
いけない事だって分かっていたけれど、大人な先生に私は魅了されていた。
行ったことのない遠い地にある綺麗な海へ連れて行ってもらった。
聴いたことのない洋楽やクラシックのCDを借りて、聴くようになった。
食べたことのない美味しいケーキ屋さんにも何度も一緒に行った。
見たことのない素敵な美術館へも連れて行ってもらった。
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