君色



あのパーティの夜以降も、雅史は何度も交際を求めてきた。

冗談で言っているのは表情を見れば分かる。

ただ、雅史が私に好意を持っているのも見れば分かる。

私はそれを、無表情と冷めた声でいつも拒んだ。

それでも私、本当は叫びたいくらい嬉しかったんだ。

苦しかったけれど、嬉しかった。

早く先生とお別れして、そうして私からちゃんと想いを伝えよう。

そう、真剣に考えていた。

けれど

雅史を好きになった時点で、先生に伝えるべきだった。

それが出来なかったなら、ちゃんと区切りを付けるまでは告白を受け入れるべきじゃなかった。

私はあの日

先生と付き合っているのに

先生はまだ私の彼氏なのに

雅史の告白にうなずいてしまった。



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