君色
君との毎日
冷たい風が窓をかたかたと揺らす音で目が覚めた。
今日から新学期。
短い冬休みはそれなりに楽しんだ。
親友とのお茶会、クラスメイトとの鍋パーティ、家族で年越し蕎麦。
寂しいけれど一つ前の年には別れを告げ、
また新鮮な気持ちで次の年を迎えた。
今年はどんな年になるんだろう。
素敵な一年になればいいのにな。
軽い朝食を取って家を出る。
昨日より今日、今日より明日。
段々寒くなっている気がした。
冷たい風も、雪の混ざった雨も、冷え切った手先も
嫌いじゃない。
校門をくぐり、教室へ向かう途中で見覚えのある笑顔が私の視線を捕らえる。
「理香~!久しぶり!って言っても一週間ぶりか」
高校入学以来教室で机を並べる友人が走りよって来た。
彼女が新学期早々奇声とも呼べる程の大声で私の名前を呼んだりするから、周りの人は皆驚いてこっちを見てる。
正直恥ずかしいけれど、どこか懐かしい感覚で心がむずがゆい。
「美幸~久しぶり。新学期初日も元気そうだね!そういえば鍋パ以来かぁ」
美幸は全速力で走りぬいたことをもう忘れたかのように、息を切らすこともなく会えなかった一週間の間の話をたくさん聞かせてくれた。
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